このページは、既存の社内用ユーザー構築アプリに対するレート制限を明確にするため、2025 年 6 月 3 日に更新されました。
Slack は Slack API サービス利用規約を更新します。2025 年 5 月 29 日以降に作成されたアプリケーションには、更新された規約がただちに適用されます。2025 年 5 月 29 日より前に作成されたアプリケーションには、2025 年 6 月 30 日に有効になります。
また、Slack は conversations.history
および conversations.replies
API メソッドのレート制限を更新します。この変更は Marketplace アプリには影響しません。新しい非 Marketplace アプリケーションおよび既存の非 Marketplace アプリケーションの新規インストールには、2025 年 5 月 29 日より、更新されたレート制限が即時適用されます。Marketplace 外で配布されたアプリの既存インストール(2025 年 5 月 29 日より前に作成された社内用ユーザー構築アプリを除く)は、新たに低いレート制限値の適用対象となる 2025 年 9 月 2 日の前までは影響を受けません。
Slack Marketplace で承認されていないアプリの場合、conversations.history
と conversations.replies
API メソッドの両方のレート制限が Tier 3
から Tier 1
に変更されます。
conversations.history
- 2025 年 5 月 29 日より後に作成されたアプリおよび既存アプリの新規インストールでは、conversations.history
API メソッドのレート制限が、Slack Marketplace で承認されない限り、1 分あたり 1 回のリクエストに制限されます。limit
パラメータの最大値とデフォルト値は 15 オブジェクトに削減されています。
conversations.replies
- 2025 年 5 月 29 日より後に作成されたアプリおよび既存アプリの新規インストールでは、conversations.replies
API メソッドのレート制限が、Slack Marketplace で承認されない限り、1 分あたり 1 回のリクエストに制限されます。limit
パラメータの最大値とデフォルト値は 15 オブジェクトに削減されています。
不明な点への詳細な回答については、続きをお読みください。もちろん、これらの変更に関して質問や懸念、提案があればお知らせください。よろしくお願いいたします。
利用規約全文はこちらでご覧いただけます。変更点の概要は以下のとおりです。
商用配布: 更新後の利用規約では、Slack API を使用して構築されたアプリを商用配布する唯一の適切な経路が Slack Marketplace であることが明確化されています。アプリが現在「非掲載」(Marketplace 外で公開されている)であるか、テンプレート化された 1 回限りの「カスタム」アプリであるかは関係ありません。
データ使用制限: Slack API 経由でアクセスされるデータの保存、使用、共有方法に関する安全対策を強化します。
API 固有の規約: Discovery API や Data Access API などの特定の API を責任ある仕方で使用する方法について、より明確なガイダンスを提供します。
ほとんどの開発者に対して、Slack API の変更による影響はありません。Slack では、2 つの特定の Web API メソッド(conversations.history
および conversations.replies
メソッド)にターゲットを絞り、Slack App Marketplace 外のアプリ(2025 年 5 月 29 日より前に作成された社内用ユーザー構築アプリを除く)のみを対象として、レート制限の変更を実施します。これらのメソッドはアプリがコメントやスレッドを読み取ることができるように設計されたものですが、未審査のアプリケーションがこれらを使用して機密性のある会話データを大量に抜き取る可能性もあります。ワークスペースデータのセキュリティを維持し、未審査のアプリケーションによる大量のデータ抜き取りを防ぐため、これらのメソッドに対して 1 分あたり 1 回のリクエスト、リクエスト 1 回あたり 15 件のメッセージというレート制限が新たに適用されます。Marketplace アプリのレート制限は変更されません。
また、現在は一部のパートナーのみに提供されている、リアルタイム検索 API の新しいオフプラットフォーム機能も発表予定です。
AI システムが強力になるにつれて、顧客データへのアクセス方法や使用方法に関連するリスクも増大しています。Slack は、ポリシーの強化と明確化によって、不正なデータスクレイピングや不正使用を防止しながら、ユーザー企業の保護を強化し、イノベーションを支援します。
Slack 開発者向けポリシーに記載されているように、Slack Marketplace は常に安全かつ高品質なアプリを提供することを意図した場所です。Slack は Marketplace への掲載に料金を請求しないため、開発者は Marketplace のガイドラインを満たし、アプリの審査を受けさえすれば Marketplace を利用できます。Slack がアプリの認定や推奨を行うことはありませんが、Marketplace への掲載に先立ってアプリのセキュリティレビューを実施し、アプリの機能に照らしてリクエストされたスコープを分析します。このプロセスにより、ツールに対するユーザーの信頼が高まり、Slack エコシステムのセキュリティも確保できます。一方、非掲載アプリは開発やテストを意図したものであり、大規模な配布や商用配布に使用するものではありません。今回の API 利用規約の更新により、この点がさらに明確化されます。
これらのポリシーの変更に加えて、会話に関する 2 つのメソッドに対象を絞ったレート制限を実施することにより、顧客データに対するリスクが最も大きいと思われる、大量の顧客データの取得機能を持つ未審査のアプリケーションに対処します。
さらに Slack では、ユーザーと開発者の双方が、Slack の会話に蓄積された貴重なビジネスナレッジを安全に活用したいと強く望んでおられることを認識しています。そこで、リアルタイム検索 API にオフプラットフォームの新しい機能を追加し、Marketplace アプリケーションの可能性を広げ、エキサイティングな新しい AI ユースケースの実現に貢献します。
これらの規約の更新は Slack API を使用したすべての開発に適用されますが、Slack Marketplace のガイドラインに準拠する Marketplace アプリにはまったく影響しません。
これらの規約の変更は Slack API を使用したすべての開発に適用されますが、大多数の開発者にとって変更を意識することはしばらくないでしょう。
現時点で、conversations.history
または conversations.replies
Web API メソッドを呼び出さない限り、レート制限の変更や適用を経験することはありません。とはいえ、商用配布アプリの適切な配布元は Marketplace だけです。そのため、アプリケーションを商用配布する場合は、掲載プロセスを調査し、Slack Marketplace のガイドラインを確認して、アプリを Marketplace 掲載に適したものにする方法を理解する必要があります。
レート制限の変更や適用の影響を受ける開発者の皆さまには、アプリへの影響と今後の対応についてより詳細な情報が記載された通知をお届けします。特に注意が必要なのは、本日より、非 Marketplace アプリを新しくインストールした場合、conversations.history
および conversations.replies
Web API メソッドには引き下げ後のレート制限値が適用されることです。ワークスペースデータのセキュリティを維持し、未審査のアプリケーションによる大量のデータ流出を防ぐため、これらのメソッドには、1 分あたり 1 回のリクエスト、リクエスト 1 回あたり 15 件のメッセージという新しいレート制限が適用されます(2025 年 5 月 29 日より前に作成された社内用ユーザー構築アプリは除く)。
新しいレート制限は、2025 年 5 月 29 日以降に作成されるすべての新しい非 Marketplace アプリケーションに適用されます。2025 年 5 月 29 日より前に作成され、ホームオーガナイゼーションにインストールされている既存の社内用ユーザー構築アプリケーションには、現在の高いレート制限値が維持されます。
ユーザー企業や開発者が Slack のデータを活用してアプリケーションの機能を強化したいと考えるのは当然のことです。しかし、インデックス作成やクエリのためにユーザーの会話データを一括ダウンロードすることには、機密情報が漏洩したり、プライベートチャンネルのメンバーシップのような Slack のアクセス制御が損なわれたりするリスクがあります。
リアルタイム検索 API は、こうしたニーズに応えるものであり、今回の変更後も Slack チャンネルのデータに対するこれまでより安全で快適なアクセスが可能になります。この API を使用すると、Slack データを保存せずにリアルタイムで呼び出しができるため、ユーザー企業と開発者は、機密性の高い会話データをいったん保存することなく、より的を絞ったアプローチで Slack 内にある豊富なナレッジを活用できます。現在、この機能は一部のパートナーに限定ベータ版として提供されています。この API の一般提供開始については、今後の発表にご期待ください。
Marketplace に適したアプリケーションの種類の詳細と、ユースケースに合わせたメソッドとスコープの活用方法に関するガイダンスについては、Marketplace のガイドラインを参照してください。
リアルタイム検索 API の導入によってリアルタイムの検索とデータアクセスが容易になることで、これまで Marketplace では承認されなかったユースケースを実現できるようになる可能性もあります。
レート制限エラーが増加している場合は、レート制限条件への対応方法に関するガイドを参照してください。ほとんどのアプリで、チャンネルのコンテンツ全体を読み取る必要はありません。レート制限エラーが発生する場合は、アプリで通常必要とされるコンテキスト情報に的を絞って取得するため、プラットフォームが提供するほかの方法(Events API や近日公開予定のリアルタイム検索 API など)の使用を検討してください。
ほとんどのアプリはこれらの変更の影響を受けません。すでに conversations.history
および conversations.replies
Web API メソッドを使用しているアプリは引き続き機能しますが、Slack Marketplace で承認されていない場合は、新たにインストールするとレート制限エラーが増加する可能性があります。2025 年 9 月 2 日より、すでにインストールされているそれらのアプリにもこれらのレート制限が適用されます(2025 年 5 月 29 日より前に作成された社内用ユーザー構築アプリは除く)。新規作成したアプリで Slack Marketplace に提出されないものでは、レート制限エラーが増加する可能性があります。
こちらは、2025年 5 月 29日に公開された Slack Developers Changelog の公式英語記事の日本語翻訳です。